音楽セラピーから学ぶ⑥

お薬を飲むときに
副作用という言葉を聞きます。


音楽にも副作用がありました。

たとえば、後輩の音楽療法士から聞いた事例です。

高齢者の集まりの中で
音楽療法を行なっていて

今日は何を歌いましょうか?と皆さんに聞いたそうです。

すると、
わしは、軍歌を歌いたいなあ、
という方が。
周りでも
そりゃいいなあ、
元気が出そうだ、
等々、皆さん歌いたいという意思表明があり

それでは、軍歌を歌いましょうねと
後輩は、歌集をめくり始めたところ、
突然、ひとりの女性が泣き出されたそうです。


驚いた後輩は慌ててその方の横に。

どうしたのか尋ねると

辛かった時の事が思い出されるから
私は歌いたくないです、と言われたそうです。


辛い思い出が蘇ってしまう歌を歌わなければならない
それこそが、音楽の副作用ということなのです。