お薬を飲むときに
副作用という言葉を聞きます。
音楽にも副作用がありました。
たとえば、後輩の音楽療法士から聞いた事例です。
高齢者の集まりの中で
音楽療法を行なっていて
今日は何を歌いましょうか?と皆さんに聞いたそうです。
すると、
わしは、軍歌を歌いたいなあ、
という方が。
周りでも
そりゃいいなあ、
元気が出そうだ、
等々、皆さん歌いたいという意思表明があり
それでは、軍歌を歌いましょうねと
後輩は、歌集をめくり始めたところ、
突然、ひとりの女性が泣き出されたそうです。
驚いた後輩は慌ててその方の横に。
どうしたのか尋ねると
辛かった時の事が思い出されるから
私は歌いたくないです、と言われたそうです。
辛い思い出が蘇ってしまう歌を歌わなければならない
それこそが、音楽の副作用ということなのです。